お葬式も現代のスタイルに合わせ多様化している中で、最近よく耳にするようになった「一日葬」
葬儀の一日葬とはどんなお葬式なのでしょうか。
通常のお葬儀では、一日目に通夜、二日目に葬儀・告別式が執り行われますが、「一日葬」とは、お通夜を行わずに告別式と火葬を一日で行うお葬式のことです。一日葬とは、通常行われるお葬式の短縮版と考えるといいと思います。
葬儀 一日葬の流れ
臨終 | 医師による死亡確認。 死亡診断書を書いてもらいます。 |
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葬儀社へ依頼 | 病院などでなくなった場合は、葬儀社へ連絡し寝台車で迎えに来てもらいます。 自宅で亡くなった場合は、葬儀社に自宅に来てもらい、ドライアイスでの処置をしてもらいます。火葬場を予約するため死亡届を役所に提出し、死体火葬・埋葬許可証を発行してもらう必要があります。一般的には葬儀社が代行してくれることがほとんどです。 |
搬送・安置 | 故人を安置するところへ搬送します。自宅での安置が可能な場合は自宅へ、自宅での安置が難しい場合は、葬儀社が保有している安置所、または提携してる安置所へ搬送してもらいます。(※安置所に安置をする場合、納棺してある状態でないと受け入れられない安置所があります。その場合は、納棺が先になります) |
葬儀打ち合わせ・見積書作成 | 菩提寺がある場合は、まず報告をして ご都合を伺います。斎場の空き状況と照らし合わせ、葬儀の日程を決めていきます。 葬儀社と打ち合わせをしながら、葬儀のタイムスケジュール、必要なものなど細かい内容を決めていきます。 |
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いするお寺のこと
葬儀社からの見積書は必ず書面で受け取りましょう。分からないことや、心配なことがある時は、担当者によく確認し、納得できるまで説明をしてもらうことが重要です。
一日葬のタイムスケジュール
一日葬はどのくらいの時間が掛かるのでしょうか。一日葬のタイムスケジュールは、それぞれ遺族の事情や親族の状況によって異なりますが、一般的な一日葬のタイムスケジュール例を挙げてみます。
このような流れは、お通夜を省いて一日で行う「一日葬」の一例です。
お寺さんの都合や火葬場の空き状況、火葬時間には個人差がありますが、一日葬は大体5~6時間で執り行うことが出来ると考えてよいでしょう。
ですが、火葬場によっては火葬時間が短く「精進落とし」の時間が取れない場合があります。その場合は、式場に戻って精進落としをしたり、お寺さんによっては告別式の式中に初七日法要をせず、火葬後 式場に戻ってから行う場合があります。
地域やお寺さん、遺族の希望によって様々な一日葬のタイムスケジュールが考えられますので、葬儀屋さんとよく打ち合わせをしながら考えて決めていくことが大切です。
一日葬の注意点は?
一日葬は限られた時間内で多くの手続きを行うため、葬儀社としっかり打ち合わせをし、葬儀の流れやスケジュールを詳細に考え準備を進めることが重要です。
菩提寺への報告
仏教では、お通夜、告別式、火葬を一連の流れとして重要視し、読むお経にもそれぞれに意味がある。といった考えを持つお寺もあります。菩提寺によっては、一日葬と言う葬儀のかたちに、了承が得られない場合もあります。
参列者が限られることも
「一日葬」とは文字通り一日で行う葬儀なので、どうしても都合が付かず参列できないと言う方が出てくることも考えられます。故人が親しくしていた大切な方や遺族以外の親せきなどには、事前に連絡をして都合を聞いておく必要があります。
慌ただしいお別れになる場合もある
最近ではお通夜に参列する方も増えているため、一日葬では告別式に参列することになります。参列者が増え何かと慌ただしいお別れの時間になってしまう可能性もあります。
自宅への弔問客
どうしても都合が付かずに一日葬に参列できなかった方が、葬儀後に自宅に弔問してくれる場合もあります。返礼品などを用意しておくと慌てずに済みます。
一日葬だからといって費用が安いわけではない
通常、2日間で行う葬儀を一日でやるんだから費用も安くできるのでは?と思われがちですが、単純にお葬式の費用が半分になるわけではありません。
祭壇やお花、棺など必要なものは通常の葬儀と変わらないため、それなりの葬儀の費用は必要となってきます。お通夜の費用と通夜振る舞いがない分、いくらか安くなる程度と考えておいた方が良いでしょう。
一日葬のメリットとは?
- 通常の葬儀と比べて、一日葬は簡略化し午前中から午後にかけてすべての内容が行われるため、高齢の親族などは体力的な負担が軽減される。
- 一日葬は、遺族や参列者が仕事や日常生活に戻るのが比較的早くなる。
- 一日葬だと比較的スケジュールの調整がしやすい。
- 参列者の制限はなく、一般の方も参列することができます。
などがあげられると思います。一日葬は、故人や遺族の希望、地域の慣習などによっても検討することが大切になります。
まとめ
葬儀 一日葬とは、どんなお葬式なの?ということを葬儀の流れ、タイムスケジュールなど具体的にお伝えしてきました。また、一日葬の注意点やメリットなども合わせてご紹介しました。
私が実際に「お通夜をやらない一日だけのお葬式にする」と聞いたのは近所のご高齢の方からでした。
妻が亡くなったけど、特に呼ぶ人もいない。自分の体力的にもなるべく質素に済ませたい。と言うようなお話をされていました。
最初は「え?お通夜をやらない?そんなお葬式ってあるの?」と驚きましたが、ご高齢の夫婦2人暮らし。葬儀の一日葬は、現代の家族構成に合った葬儀の在り方なのかもしれないと思いました。
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